空腹のご褒美は免疫UP
飽食の時代と言われて久しいが、最近、空腹の健康法が注目されている。空腹健康法とは、何も食べない休憩時間を習慣にしようという運動である。昔からある断食療法は、指導者なしに行うは簡単ではない。休憩時間を何も食べない休み時間にするは、やろうと思えば誰にでもできる習慣だ。ともあれ、まずは空腹が健康に良い理由を理解する必要がある。
実は、空腹が健康に良いことは、科学的根拠が実証されている。空腹時に胃の分泌細胞で作られる摂食促進ホルモン・グレリンは、迷走神経の刺激を介して脳へ伝達され、視床下部にある成長ホルモンの分泌を促す作用が解明されている。
成長ホルモンは若い成長期だけ働くホルモンではない。何歳になっても、人が生きていくためのあらゆる細胞活動を活性化し、免疫を元気にし、活性酸素で傷んだ細胞を修復する、生命維持の大黒柱を担うホルモンなのだ。だから24時間いつも満腹でいると、成長ホルモンの分泌は減少し老化が進むことになる。空腹時間は若返りの時間と発想を変えれば、空腹はありがたい時間に変身する。このように考え方を変えると、おやつがなくても我慢できるし、夜中にお腹が空いてもさしたる苦痛ではなくなる。成長ホルモン以外に、空腹のメリットは他にもたくさんある。脳内アセチルコリンが増えて集中力がアップする。空腹で代謝が亢進するためデトックス効果がある。ストレスホルモンの分泌が抑えられるためリラックス効果がある。空腹によって腸内環境が整うため便通もよくなり美肌効果も期待できる。ダイエットサプリの世話にならずとも肥満が解消される。さらに空腹によりインシュリン分泌は減少し、血液の糖化指標であるヘモグロビンA1cは改善され、糖化の予防につながる。
巷のメディアでは、16時間絶食の効果が喧伝されているが、少し早めに夕食を済ませると、朝食まで12時間の絶食が苦労なく可能となる。このように空腹はいいことだらけなのだが、適切な空腹感を維持するには賢い工夫がいる。食事のタイミング、栄養バランスはもちろんだが、空腹時のストレッチ体操や筋トレ、水分補給は空腹を忘れる意外な効果がある。だが無理な空腹は身体に負担をかけるため、どうにも我慢できない時は無脂肪、無糖のヨーグルト、食物繊維豊富なこんにゃくジャーキー、わかめスープなど低カロリーのおすすめ品がいろいろある。今日から間食習慣をやめて、栄養バランスのよい食事をタイミング良く取って、健康ライフを楽しんで下さい。