腸管免疫の話
腸管免疫という言葉をご存じだろうか。お花畑のように見える腸内細菌叢は、免疫細胞の60%~70%が集まっている免疫の首座である。菌種のバランスによる良好な腸内環境は健康免疫にとって重要である。理想的にはビフィズス菌などの善玉菌、ウェルシュ菌などの悪玉菌、それ以外の日和見菌の割合が2:1:7と言われてきた。だが実は、善玉菌の中にも悪さをするもの、悪玉菌でも役に立つものがいる。腸内細菌叢は3歳までにほぼ完成し、健康ならば簡単に変化しない。腸内細菌叢を変化させるのは、老化、化学療法、抗生物質の長期内服、腸内細菌のエサとなる食物繊維の不足などである。便秘、下痢は腸管免疫のSOSだから腸の健康管理は大切だ。そこで、登場するのが発酵食品や食物繊維である。ビフィズス菌は乳酸と酢酸を産生し、悪玉菌を抑えて腸内環境を整え、免疫を活性化する。美容の菌と言われているガセリ菌も免疫調整作用がある。ミヤBMの酪酸菌は芽胞に包まれているため、胃酸に分解されることなく免疫主場の腸に到達し、酪酸を作る優れもの。酪酸菌はノーベル賞で話題を集めた制御性T細胞を元気にする働きがあり、制御性T細胞の機能低下によって起こるアレルギーや自己免疫疾患などの予防や治療、さらには免疫の最前線部隊であるマクロファージを元気にし、炎症を抑えて風邪をひきにくくする。日本が誇る発酵食品、納豆菌も同じく腸まで届いて優れた整腸作用を発揮する。さらに、納豆菌はがん細胞を攻撃するキラーT細胞を活性化し、ナットウキナーゼは全身の血流を良くして免疫力をサポートしてくれる。まさに快便は腸内環境の健康バロメーターと言える。